2019年7月13日、SONYより完全ワイヤレスイヤホン「WF-1000XM3」が発売されました。
この完全ワイヤレスイヤホンは、SONYにとって大きな意味を持つイヤホンです。SONYは、WF-1000XM3発売から遡ること約2年、2017年10月にSONY初となる完全ワイヤレスイヤホンを発売しています。
しかし、これらのイヤホンは一部、接続の安定性が問題視されており、世間の評判もイマイチ良くないように思えました。ステレオスピーカーやウォークマン、CDプレイヤーなど、数多くのSONY製品を使ってきた私にとって、ワイヤレスイヤホンの市場は、少し残念なものでした。
この状況を打破した製品が、今回の記事で紹介するWF-1000XM3です!発売開始直後より、瞬く間にワイヤレスイヤホンユーザーの心を射止め、品切れが続出しました。わたしは、オンラインのソニーストアで注文したのですが、翌日には「入荷数か月待ち」のステータスになったのを覚えています。
今回は、SONYのワイヤレスイヤホン分野の復活の狼煙となった「WF-1000XM3」について、紹介します。
今回紹介するイヤホン(2019年版)
後継機のイヤホン(2021年版)
WF-1000XM3の紹介
- 製品名:WF-1000XM3
- 発売日:2019年7月13日
- 充電時間:約1.5時間
- 連続再生時間:約6時間
- 対応コーデック:SBC・AAC
- 防水防塵:×
- 充電:USB TypeC
- カラー:プラチナシルバー、ブラック
アクティブ・ノイズキャンセリング
WF-1000XM3の最大の特徴は、アクティブ・ノイズキャンセリングでしょう。今では、Air Pods Proでも代表される機能ですが、その数か月前に発売されたWF-1000XM3のノイズ・キャンセリング機能は、世間を驚かせました。
完全ワイヤレスイヤホンという特性上、屋外で使用する機会が多いのですが、電車内や駅など、騒々しい場所でも、静寂化し音楽に没頭させるその性能は、完全ワイヤレスイヤホン分野で脚光を浴びました。
同時に、ワンタッチで外音取り込みに切り替えることができ、イヤホンをしたまま周囲の音を聞くという、これまでのイヤホンの常識を覆す機能が確立されました。
DSEE HX
「完全ワイヤレスイヤホンは音質を犠牲にする」が常識でしたが、SONYお馴染みのハイレゾ級の音質を実現する「DSEE HX」がワイヤレスイヤホンに初搭載されました。前述のノイズキャンセリングとの相性も極めてよく、屋外でも余計な外音をシャットアウトし、高音質で音楽を楽しめるようになりました。
最大6時間連続再生
前機種のWF-1000xでは、連続再生時間が3時間でしたが、ノイズキャンセリングなどの高度な機能を搭載したにも関わらず、WF-1000XM3では倍増の6時間です。さらに充電ケースで3回分の充電が可能となり、計24時間のロングバッテリーとなりました。
WF-1000XM3は、様々な面で大きく性能を向上させましたが、充電ケース・イヤホン本体の筐体は、大きめです。後継機となるWF-1000XM4は、さらに性能を向上させたにも関わらず、筐体はコンパクト化しています。
今回紹介するイヤホン(2019年版)
後継機のイヤホン(2021年版)
WF-1000XM3レビュー
製品の写真(プラチナ・シルバー)
WF-1000XM3は品のある雰囲気のイヤホンです。ガジェット感はあまりない印象ですね。なお、これは欠点としてあげられている方も多いのですが、このケースは自立しません。下記は写真撮影のため、ケース裏にゴルフティを挟んで固定しています。通常は自立しません。
逆さまに置けば自立しますが、天板がキレイなため、あまり置きたがらない方が多いようです。
今回紹介するイヤホン(2019年版)
後継機のイヤホン(2021年版)
接続安定性
完全ワイヤレスイヤホンで最大の焦点になるのが、接続の安定性でしょう。WF-1000XM3は、これまでの評価を覆しとても安定した接続を維持します。わたしの場合も、人混みの中でも途切れたことはありません。
ノイズキャンセリング
WF-1000XM3の最大の特徴のノイズキャンセリングですが、確かに周囲の音をうまく消してくれます。ただし、後発のAir Pods Proよりは劣る印象です。なお、このノイズキャンセリングは、アプリ側でシーンに応じて効き具合を設定することができます。
- 止まっているとき
- 歩いているとき
- 走っているとき
- 乗り物に乗っているとき
例えば、普段はノイズキャンセリングをONにしておき、信号待ちで止まっているときは効きを弱めたり、OFFにしたり、といった設定が可能です。また、人の声にフォーカスして外音取り込みをすることも可能です。
音質
音質は、発売当時、国内最強と謳われた通り、文句なしの逸品です。わたしは、Air Pods Pro含め、いくつもの完全ワイヤレスイヤホンを使っていますが、音質ではNo1です。中高音は繊細かつまろやかな伸びがあり、低音はしっかりと効いています。また、音場がとても広く感じます。
わたしは、以前、Mpow M5という5,000円前後の完全ワイヤレスイヤホンを高く評価していましたが、音場で比較するとWF-1000XM3はコンサートホール、Mpow M5はエレベーター内というくらいの差があります。
音質は、個人の好みが大きく影響しますが、個人的にはWF-1000XM3の苦手ジャンルは「メタル・ヘヴィメタル」と感じます。ハードロックはOKですが、そのまろやかな音質がメタリックな音とは相反するのです。
※ジューダスプリーストなど
ヘヴィメタルは、AnkerやMpowなど、意外に低~中価格帯のイヤホンが気持ちよかったりします!
今回紹介するイヤホン(2019年版)
後継機のイヤホン(2021年版)
装着・操作感
大きな筐体のイヤホンですが、装着感は悪くありません。しっかりと耳に固定されるように作られているのでしょう。
ただし、この形状にはひとつだけ欠点があり、向かい風のときには、ノイズキャンセリングのON・OFFに関わらず、風切り音が発生してしまいます。。これは、ハード的な形状が原因のため、対策はないようです。。
なお、本体の丸い金属プレートのような箇所は、タッチセンサーになっており、専用アプリで設定することにより、音量の調整や外音取り込み、Googleアシスタント呼び出しなど、お好みの設定を割り当てることが可能です。
専用アプリ
今回紹介するイヤホン(2019年版)
後継機のイヤホン(2021年版)
WF-1000XM3のまとめ
今回は、SONYが完全ワイヤレスイヤホン分野で活躍するきっかけとなったWF-1000XM3を紹介しました。
おそらく、これからも名機として語れる重要な意味を持つイヤホンになるでしょう。
この記事の冒頭でも紹介しましたが、2021/9現在、後継機となるWF-1000XM4が発売され、前機種を上回る性能が披露されました。後継機の発売により、WF-1000XM3は値下げされつつありますので、もし価格が焦点であれば、WF-1000XM3も、購入の候補になってくるかと思います。
今回紹介するイヤホン(2019年版)
後継機のイヤホン(2021年版)